東映実写版 シルバーサーファー

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以前にも何度かこのブログで触れましたが、1978年~1979年に放送されたスパイダーマンの後、東映では、3・Dマン、ムーンナイト、シルバーサーファー等何本かマーベルキャラを使用した番組が企画検討されました。
3・Dマン(2007年5月26日)、ムーンナイト(2008年1月14日)はご紹介しましたが、シルバーサーファーは未だだったので、いずれご紹介しようと思っていたところ、先日たまたまシルバーサーファーの没となった『新番組企画書』が入手できたので、今回はその内容も織り交ぜながら書いていこうと思います。

これがシルバーサーファー企画書。主要キャラクターのカラー写真が4枚添付されています。
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この番組は、マーベルコミックスのヒーローである、シルバーサーファー、ミズ・マーベル、シング、この三人を中心に、随時マーベルキャラクターを登場させ、それにさらに日本でのオリジナルキャラクターを加え、活躍させる、カラフルで多彩なアクションシリーズである。

題名:シルバーサーファー
種別:SFヒーローアクションもの
形式:VTR合成を多用するテレビ映画 一話完結30分、26話以上
対象:ヤングを中心とした家族全般
原作:八手三郎(マーベルコミックス版より)
企画協力:企画社104
製作:東映株式会社

企画内容
大宇宙にその勢力をのばす、宇宙帝王ギャラクタス率いる大侵略軍団。その次なるターゲットは、我々の母なる星、地球だった。・・・・・そんな時、ギャラクタス軍団から地球に逃亡した超人シルバーサーファーと運命的な出会いをした独立戦略室日本支部に所属するミズ・マーベルとシングは、彼から敵の実態を告げられるのだった。三人はその闘いの中でお互いライバル意識を燃やしながらも強い同胞意識で結ばれ、巨大なる敵に向かってゆくのである。


登場人物紹介
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             シルバーサーファー(シブキ光士)
スカイボードという名のサーフボードをあやつり、光速で宇宙を駆ける全身銀色の宇宙人
ゼン・ラ星の住人であったが、侵略軍団がゼン・ラ星を滅ぼした時に捕らえられ、超能力戦略開発セクションにおいて、宇宙戦闘用兵士に改造される。改造された後、亡き母の星への逃亡を企てた。

宇宙エネルギーを操ることができる能力、コズミックパワーで敵と闘う。
コズミック・ブラスト=指先からエネルギー塊を発射して攻撃する。
コズミック・バースト=大きく広げた両手から発生するエネルギー放流。
コズミック・アタック=体内に蓄えているエネルギーを開放し、全身をエネルギーで包み体当たりする最強の攻撃方法。ただしこの技はシルバーサーファーの全エネルギーを消耗させ、再びコズミックエネルギーが体内にチャージされるまでの〝1時間〟は全く攻撃能力が無くなるので戦闘においては一度しか使用できない。

普段はサーフィンを中心とした海洋スポーツを楽しむ若者。敵の侵略をキャッチするや、戦士シルバーサーファーとして戦場に向かう。父はゼン・ラ星人、母は地球人。


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                ミズ・マーベル(鈴鹿マスミ)
予知・透視といった能力に先天的に優れた地球人のスーパーヒロイン。日常の姿は女子大生でシブキ光士の出入りする喫茶店でアルバイトをしている。実は資産家である鈴鹿家の令嬢。


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                   シング(石原元)
大破壊力をもったパンチ、大怪力で敵を討つパワーファイターで、地上戦を得意とする地球人。普段はトラック運転手。鈴鹿マスミがバイトをしている喫茶店によく出入りしている。
以前ある事件の調査中、敵のアジトで爆発事故に巻き込まれ、その時に怪光線と共に特殊エネルギーを浴びて、はかりしれないパワーを持った超人になった。


以上ざっとですが大体こんな感じです。あとは三人が所属する「地球防衛機構・独立戦略室」について、「ギャラクタス軍団」の紹介、第一話のサンプルストーリー等が掲載されています。この企画書についてはまた機会があればご紹介したいと思います。


ところでこの没企画、後の東映特撮番組の何かに生かされていないかと調べてみたら、1982年3月より放送された「宇宙刑事ギャバン」の設定にそれと思わせるいくつかの合致する設定がありました。
・ギャバンの企画がスタートしたのは、シルバーサーファーと同時期の1981年春頃。
・宇宙平和を守るという物語であり、既存のヒーローとは次元の違うストーリー。
・銀色のコンバットスーツに身を包んでいる。
・指先から光線を出す。
・父が宇宙人、母が地球人。
・サイドカー(サイバリアン)に立ち乗りする姿がシルバーサーファーを彷彿させる。【画像参照】
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他にもまだあるかもしれませんが、これだけでも似てるな~と感じてしまうのは私だけではないと思います。しかし「シルバーサーファー」の設定が「ギャバン」に用いられたという事実が書かれている資料本を見たわけではないのでこれは推測の域を出ません。




■補記1 シルバーサーファー プロフィール(原作)
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Real Name:Norrin Radd(ノリン・ラッド)
Height:6'4"(193センチ)
Weight:225lbs.(102キロ)
(画像はMarvel Masterpieces 1995 #88 Silversurfer)

●First Appearance
シルバーサーファーがコミックに初登場したのは『Fantastic Four #48』(1966年3月号)。スタン・リーとジャック・カービーの黄金コンビにより誕生しました。【画像左】。初めての単独誌は『Silversurfer #1』(1968年8月号)【画像右】
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●History
ゼン・ラ星人ノリン・ラッドは宇宙魔人ギャラクタスから自分の星を守る為、ギャラクタスと取り引きをし、全身銀色のシルバーサーファーに姿を変えられた。そしてギャラクタスの案内人となり、ギャラクタスの食する星を探し求め宇宙を駆け巡った。しかし地球にやってきた時、シルバーサーファーはギャラクタスに背き地球人の味方になったため、地球の回りに特殊バリアを張られ、地球から脱出することができなくなってしまった。それ以来彼は地球での活躍を始めたのだった。




■補記2 特撮SF大作『シルバーサーファー』
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ポップコーン#4(1980年10月号)【画像左】に掲載された小野耕世氏の記事によれば、シルバーサーファーは予算2000万ドルをかけて、ユニバーサルより映画化が決定。撮影開始は1981年の5月か6月、映画の完成は1983年となっており、すでにマイク・ブライアンによるイメージ画(ニューヨークの上空を飛ぶシルバーサーファー)【画像右】も作られていました。
この企画が立ち消えになった理由として、同氏の著書『アメリカン・コミックス大全』の中のスタン・リーとの対談(1993年1月)記事に、〝「ファンタスティック・フォー」の映画化権を他に売ってしまったから〟(シルバーサーファーはファンタスティック・フォーの中に登場するキャラクターなので、その権利も含まれる)とあります。
何だかちょっと耳を疑うような話ですが、とにかく東映版に続きまたしてもシルバーサーファーの実写化の夢は消えてしまったということです。
こういう経緯を知って改めて去年(2007年)公開された「ファンタスティック・フォー:銀河の危機」でのシルバーサーファーの勇姿を見ると感慨もひとしおになってきますね。

ところでこのポップコーン誌の中にさらに注目する記事が掲載されていました。
それは当時のマーベルコミックスグループの社長James Galton(ジェームズ・ゴートン)が1980年7月に来日しており、その目的は東映との業務提携の為だったという記事です。
マーベルは新たにテレビ・映画部門に進出する為に新部署を設立し、その製作に東映が参加するというもの。
一方東映側は1978年から3年間マーベルキャラを自由に使用できる契約を結んでいましたが、その期限が切れるために新たに契約延長を交わしたということなのでしょうか。
マーベル提携による最後の東映作品「太陽戦隊サンバルカン」の放送期間が1981年2月~1982年1月、そして上記シルバーサーファーの企画書が1981年に作られたという点からも恐らくそうではないかと推測されます。

【Breathless】
去年(2007年)、「スパイダーマン3」公開に合わせて発売されたムック誌『スパイダーマン インサイダー』内の「アメコミヒーロー映画の系譜」によれば、1983年に公開されたリチャード・ギア主演映画『ブレスレス』(「勝手にしやがれ」のリメイク作品)が「シルバーサーファー」の企画が転じたもの、とのこと。
興味が湧き、この作品のビデオを入手しました。

自動車泥棒の常習犯ジェシー(リチャード・ギア)の憧れのヒーローはシルバーサーファー。自分の生き方をサーファーに重ねる描写が何箇所かあり、その際には実際にシルバーサーファーのコミックが登場しています。
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①「いいぞサーファー。イカすぜ!」冒頭のシーンでいきなり登場(第18号)
②コミックショップで少年にサーファーをけなされる(第1号)
③愛するモニカにサーファーを熱く語る(第11号)

ようするにこの映画は〝シルバーサーファー〟のようになりたい主人公が、結局はなれなかったみたいな感じの物語で、シルバーサーファーの企画がどのように転じて製作されたのかは個人的には分かりませんでした。なおシルバーサーファーの版権は取っていないので「MARVEL」のクレジットはありません。




■補記3 シルバーサーファーFigure
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シルバーサーファーが初めてフィギュアになったのは「マーベル・スーパーヒーローズ」のシリーズ1(1990年)【画像左】。シリーズ3(1992年)【画像右】でも登場しています。
続いて1995年から開始されたファンタスティックフォーのオリジナルラインからも1体発売され(シリーズ1・1995年)、1996年にはCDロム付きのフィギュア、そして1997年からは待望のシルバーサーファーのオリジナルシリーズがリリースされました(シリーズ1~4)。その際には30周年記念の10インチ、14インチのトーキングなども発売。当時は正規代理店に「やまと」があったので比較的安く入手可能でした。
この後、シルバーサーファーのフィギュアが出るまではかなり長くの沈黙が続き、2003年のマーベル・レジェンド・シリーズ5 まで待たなければなりませんでした。
最近では映画も公開され、マーベル・レジェンド・ファンタスティックフォー・シリーズ(2007年) やファンタスティックフォー・映画版(2007年)などで多くのフィギュアが発売されています。